解決事例

2025/01/27 解決事例

トンボ

高齢夫婦の話です。

 

90歳を超えた高齢夫婦が二人暮らしをしていて、二人とも認知症が進んでおり、とくに妻が重く、夫が世話をしているものの、妻への言葉の暴力が一日中続いているとのことでした。

そこで妻の成年後見の申立をし、私が成年後見人になりました。

 

妻の年金はわずかで、入居できる老人ホームは遠く離れた、海に面した町のホームだけでした。

行ってみると、夏の日差しで海が輝いていましたが、きっと冬はどんより曇って、波、風が厳しいだろうと思いました。

 

数年後、夫もこの老人ホームに入所することになりました。

それを聞いて、「大丈夫なんですか。」とホームに電話しました。

ホームの担当者は、いつも二人並んで座っているし、妻に「となりの人、分かる?」と聞くと、すぐ「〇〇」と答える。ちゃんと分かっているから安心して下さいと言われました。

夫婦というのは、不思議なものです。

この数日後、仕事に行こうとして外に出ると、正面の手摺りにトンボが2匹、同じ方向を向いて、並んでとまっていました。このトンボも「夫婦」でしょうか。 

 

先に夫が亡くなり、町の共同墓地に埋葬されました。

昨年、妻も亡くなりました。生前の希望で、夫と同じ、共同墓地に埋葬しようとしたところ、北海道では、雪が積もると、春まで受け付けないとのことで断られました。

知り合いの葬儀社に頼んで、遺骨を預かって貰いました。

今、妻は、社長室で雪解けを心待ちにしています。

 

話はかわりますが、出会い系アプリで知り合って、東京に行って入籍したものの、夫のDVでシェルターに居るという話しを聞きました。

何をするのも自由です。

でも、夫婦としての何か大切なものを忘れていませんか。 

 

© 斉田顕彰法律事務所