解決事例

2025/01/21 解決事例

働いて、貯めて、回収

少し変わった未払給料の回収の話です。

 

整骨院の整体師さんと鍼灸師さんから、給料2カ月分が未払との相談を受けました。

普通、こういう場合、弁護士は、勤務先の倒産ということで、急いで会社の預金の差押えをしようとします。

一番早い手続きは、給料の先取特権に基づく差押えで、資料を裁判所に提出して差押命令を出してもらいます。判決は不要です。

しかし、社長が賃金台帳や賃金規定を渡さないため、先取特権は使えません。

 

整骨院には、健康保険の患者と、交通事故の患者がいます。

健康保険の患者の治療費は、一部は自己負担、残りは健康保険が支払います。

交通事故の患者の治療費は、保険会社が支払います。

健康保険も、保険会社も、整骨院から診療報酬明細書(レセプト)が届かないと支払わないので、あえて提出しないで「貯め」、3カ月ごとに裁判をすることにしました。

 

1回目の裁判をして判決を貰い、この判決で、交通事故の治療費の差押えをしました。

その3カ月後、2回目の裁判をして判決を貰い、健康保険の差押えをしました。

なお、患者の自己負担の現金については、預かり金として未払給料と相殺しました。

 

急いで差押えをしても、すでに預金ゼロということがほとんどです。

このケースは、たまたま資金が会社に入ることをストップ出来たので、プールした資金から給料の回収が出来ました。

希なケースですが、急いで差押えをすることばかりが、回収ではないと教えられました。

 

ちなみに、整骨院は、別の人が引き継いでくれ、整体師さんたちは、今も働いています。

 

© 斉田顕彰法律事務所