解決事例

2024/12/09 解決事例

騙されて、その後

詐欺にあった後の、その後始末の話です。

 

  地方で病院を経営した夫が亡くなり、老婦人に1億円が入りました。

   老婦人には、信頼している占い師がいて、その占い師から、今年のあなたは何をやってもうまくいくと言われました。

   その場には、別の女性もいて、その女性から、莫大な儲け話があると言われました。

 

   莫大な儲け話というのは、金塊を積んだ帝政ロシア末期の船が日本近海で沈没した、今、引き揚げ作業をしているが、資金が足りなくなった、援助してくれれば倍額払うという内容でした。

   その後も、数回に渡り、もう少しで引き揚げが出来るといって、手持ち資金を提供した結果。手元に生活費もない状態となり、この女に生活費を出してもらう状況となりました。

 

   追い打ちをかけるように、別の男を紹介され、男から、このままでは税金でマンションが差押えられるから、俺の名前に変えておいた方が いいと言われて、マンションを男の名義に変更しました。

  

この時点で、相談を受けました。警察は、何もしてくれないとのことでした。

詐欺をした人間に金が残っている例はないので、マンションを取り戻そうと考えました。そうしなければ、老婦人は生きて行けません。

   マンションに処分禁止の仮処分をかけて、男と交渉をしました。

 この男も借金のカタに、他人に権利証を預けていました。

   そこで不動産仲介業者にマンションの買い主を見つけてもらい、売買の前金で、この男からマンションの権利証を取り戻し、マンションを売却して、多少なりとも生活資金を確保しました。

 それから入居可能な賃貸マンションを仲介業者に見つけて貰いました。

   流れだけ見ると簡単ですが、実際は苦労の連続でした。ただ、出来ることはしたと思います。

 

   新聞に、老人が詐欺にあって大金を失った記事が頻繁に出ますが、「その後」のことは、記事になりません。

   しかし、「その後」はあり、生きていけなくなる人もいます。

 

 それでも何か一つ、方法が残されているかもしれません。一度 、弁護士に相談してみてはどうかと思います。

© 斉田顕彰法律事務所