解決事例

2024/11/24 解決事例

似て非なるもの

レンタカーとリース車の話です。

 

依頼者は運送会社で、深夜、高速道路を走行中、道路端にはみ出し駐車していた中型トラックに追突しました。中型トラックの運転手は眠気を覚えて、トラックを停めて仮眠していたとのことです。

中型トラックの会社は、引越し業者でした。

運送会社は、この会社から賠償請求を受けましたが、新しいトラックを購入するまで、数カ月間レンタカーのトラックを使用したレンタカー料金が含まれていました。

但し、レンタカー料金を見ると、当初の1カ月は、通常のレンタカー相場の倍額でした。

 

レンタカー会社は、運送会社のナンバー(緑ナンバー)を取得するのに経費がかかった、特殊な装備がついたトラックだった、レンタカーの繁忙期だったなどと言いますが、そもそもレンタカーでは運送会社の緑ナンバーは取得できません。

それを指摘すると、引越し業者とレンタカー会社は、口を揃えて、レンタカーというのは誤りで、リースだったと言い出しました。

 

レンタカーでは緑ナンバーは取得できませんが、リース車であれば可能です。

しかし、リース料金が最初の1カ月だけ法外な金額になるのはおかしなことです。

リースというのは、ユーザーが希望する物件について、物件の価格にリース期間に応じた利息を加えて、リース料総額を出し、毎月のリース料を決めて、物件を貸すもので、リースの本質は「融資」です。

従って、リース料金は毎月均等で、最初の1カ月だけ法外な金額になることはありませんし、まして「繁忙期」などまったく関係ありません。

 

結局、通常のレンタカー料金ということで決着がつきました。

賠償請求の中には、意外な落とし穴があることがあります。鵜呑みにしないことが大事です。

© 斉田顕彰法律事務所